儀間陽柄 x 高尾悠希(俳優) 対談




阪元裕吾監督、映画「ネムルバカ」で儀間が共演した俳優の長谷川大さんに続き、二回目の対談は高尾悠希さんにお越しいただきました。

高尾:なんか緊張しますね。
儀間:笑。いざ対談ってなると。
高尾:2人でサシはないですよね。
儀間:映画のキャンペーンの時とか、僕ら2人が先に着きがちで。
高尾:そうですね。みんなを待っているときに少し喋るとか。
儀間:だからいざ対談ってなると。
-----数秒の沈黙
儀間:こちらからお誘いしたのに、なにから切りだしたらよいかと笑。
高尾:いやいや、僕も思い返すと儀間さんと喋っているときは常に長谷川(大)さんがいたから。
儀間:そうですね。長谷川さんがリードして喋ってくれてたので。
高尾:そうそう、僕らは長谷川さんの話を「うんうん」って聞いてたからね。儀間さんと長谷川さんが最初に対談するっていうのも聞いてたから。やべぇ、長谷川さんの後はちょっとやりづらいかもって。
儀間:笑。
高尾:きっとすげえ喋ったんだろうなって。
儀間:でも、こうしてお二人と対談できる機会があって嬉しかったです。「ネムルバカ」以降は忙しかったですか?
高尾:そうですね。「ネムルバカ」のことも考えながら、少しずつ他の仕事をしてました。その間に結構ダダダディーズの曲を聴いてました。だから「ネムルバカ」の撮影が終わってからのが聴いてましたよ。
儀間:そうなんですね。
高尾:たしか、初めて儀間さんとお会いしたのが去年の3月頃、川崎のクラブチッタで。「ONE ON ONE」ってイベントでした。
儀間:僕らのレーベル、UK.PROJECT主宰のイベントでしたね。
高尾:儀間さんにご挨拶する前にライブを観るっていう形だったから、バンドがどういう色なのかも分からないまま観てたら、お客さんがダイブするわ、儀間さんもダイブするわ、ボーカルの小池さんはどこに目があるのか分からないぐらい前髪がぐしゃぐしゃになってたし。
儀間:笑。
高尾:命を削って演奏しているんだなという印象がすごくあって。
儀間:嬉しいですね。その日、役者さんと映画のスタッフチームがいっぱい観に来るらしいってマネージャーから言われてて。監督の阪元(裕吾)さんをはじめ、平(祐奈)さんもいたのでピートモスのメンバー全員が来てくれて。そこで「初めまして」って高尾さんと長谷川さんにご挨拶させてもらって。高尾さんと長谷川さんを初めて見たときに「うわー!」ってなりました。2人とも身長が高いし、身なりもカチッとしてるし、芸能の人だなって思って。
高尾:笑。やっぱり初めてお会いするってときは、長谷川さんも俺もカチッとするように考えるというか。
儀間:そうなんですね。
高尾:ダダダディーズというバンドをやっている儀間さんって方が映画に出演するってことは聞いてたんですが、バンドのアーティスト写真を見たときにどれが儀間さんなのか分からなかったという。
儀間:写真の色味が暗いですし笑。
高尾:長谷川さんと一緒にHPを見ながらどれが儀間さんなんだろうって。
儀間:当時言ってましたよね。小池さんを見て、この人だったらちょっと怖いなみたいな笑。
高尾:ライブを観た時にステージのポジションで分かりました。スタイリストの入山さんも来てたので、入山さんにも確認してあの人が儀間さんなんだと。儀間さんが分かった途端に、こう背筋がピンってなったの覚えてます。
儀間:そうなんですか?
高尾:なんかこう、いわゆるガチミュージシャンの方と一緒に音楽シーンをやるって機会がなかなかないことだったので。ライブを観てパフォーマンスもすごくて圧倒されました。僕はずっと仁王立ちで観てたんですけど、長谷川さんはノッって観てましたね。それぐらいライブに惹き込まれていったのを今でも覚えてます。
儀間:嬉しいですね。つい最近のツアーファイナル公演も観に来てくれたじゃないですか。
高尾:上野ですね。
儀間:はい、上野音横丁。遠くまでありがとうございます。ライブを観てくれたのが2回目でしたよね。
高尾:そうです。
儀間:バンドの印象ってなんか変わりました?川崎のときは多分出番が30分とかだったと思うんですけど、ツアーは演奏時間も長いので。

高尾:上野のライブで小池さんがMCで「俺はみんなを楽しませてるけど、じゃあ俺を楽しませてくれてるのは誰なんだよ」みたいなことを言ってたんですよ。それがすごく印象に残って。あぁ、でも確かにそうだよなぁっていう。
儀間:それは、役者にしてもミュージシャンにしても。何か発信する方を見て楽しむ人に「自分は?」っていうところですよね。
高尾:そうです。ダディーズのファンの皆さんってダイブしてたり、とにかく盛り上がっていて、すごく一体感がある感じがしたので、まさか小池さんがそんなMCをするとは思ってなくて。
儀間:笑。
高尾:初めて観た一回目のライブの時って、ぶっちぎってる感じがあったんですけど。
儀間:あぁ、確かに他のバンドもいる中で、短い出演時間だったから簡潔にやったっていう感じなのかも。
高尾:だから2回目のときは、もうちょっとこう内側みたいなものをすごく観れたし、聞けたのかな?
儀間:内省的な所というか。
高尾:そうですね。あと儀間さんが作った曲を聴けたのも良かったです。
儀間:僕も久しぶりに高尾さんが来てくれたなって。
高尾:笑。
儀間:ちょっと頑張ろうみたいな気持ちになりましたよ笑。
高尾:僕も儀間さんは絶対に観たいから、儀間さんがちゃんと見える角度にいました。
儀間:あの日はステージが低かったから、これ見えてるのかな?とか思いながらやってました。
でも、ステージから高尾さんがどこにいるのか探してたんですけど、見つけられなくて笑。
高尾:その日はアルバムをもう事前に聴いてたんですけど、ライブになると全然違った聴こえ方がする時もありましたが、儀間さんが作った「rock'n'roll ぎゃる」はそのまんまだなぁと思った。
儀間:良かった。
高尾:あぁ、聴いてた曲だみたいな。ちょっとミーハー感がありますけど。
儀間:僕がボーカルを一曲丸々とるってなったのが今回初めてで。だから今回のツアーから「rock'n'roll ぎゃる」もライブでやって。

高尾:そうなんだ。
儀間:まだ慣れないですね。ボーカルって難しいなみたいな。一番表に立つ状態っていうのにまだ慣れないんですけどなんだろう、例えばその役者やってて慣れない役みたいなのってあるんですか? 慣れないって言ったらおかしいか。なんかちょっと前に出ているような感じ?
高尾:前に出てる?
儀間:なんて言うんでしょう。苦手というか。あっ、シンプルな質問に変えます。今挑戦したい役とかあるんですか?
高尾:いっぱいありますね! 僕は刑事の役とかやってみたいです。
儀間:やってそうな感じ、しますけど。
高尾:犯人を無骨に追いかけ回している役とかちょっとやってみたいですね。それで言うと儀間さんはこういう曲を作ってみたいとかってありますか?
儀間:これを作りたくてっていうのはあんまりパッと出てこないんですけど、高尾さんがやったことないっていうさっきの刑事の話じゃないですけど。
高尾:うん。
儀間:今までやってこなかったジャンルというか。ロックじゃなくて。「ネムルバカ」の時も打ち込みとかでサウンドトラックを何曲か作りましたけど、それともまた違うもの。オーケストラとかいつかやってみたいですね。すごい遠い未来かもしれないですけど。楽譜も読めないし吹奏楽をやっていたわけでもないので知識もないですけど。
高尾:いやいやいや。
儀間:憧れはありますね。フルオーケストラで。
高尾:人数だけで言ったら大バンドみたいな。真ん中に立って指揮棒振るみたいな。
儀間:やってみたいですね!
高尾:いいですね!それで言うとやっぱり「rock'n'roll ぎゃる」ってめちゃくちゃ意外だったんですよ。「ネムルバカ」の時のサントラって、ギターのリフが多いとか儀間さんからこう作られたっていうのは感じられたんですけど、「rock'n'roll ぎゃる」はクレジットを見るまで気付かなかったから。
儀間:そうですよね、僕も結構意外だなって思うんですけど、とはいえ僕っぽいといえば、ぽいんですけど、でも自分の中で歌詞にしても最新の形なのかなって。サウンドは結果的にガレージというか、ロックンロールというか。メンバーがアレンジに加わっているし。サントラは自分1人で作ってたんで、自分1人のエネルギーしか注がれてないから。でもバンドってなると自分の中にもメンバーのエネルギーが入ってきてる感じがあるので、その違いなのかなっていう。

高尾:それで言うと「しゃらら」って逆にどうでした? 作曲は儀間さんですよね?
儀間:そうです。
高尾:歌詞は小池さんじゃないですか。曲と歌詞、どっちが先とかありました?
儀間:作ったきっかけは海外CMのコンペがあったんですよ。尺が30秒ぐらいでサビだけ作って仮歌も入れて。だからサビの歌詞はあんまり変わってなくて。
高尾:そうなんですね。じゃあ歌詞の「私はメチャ可愛い」とかも?
儀間:そこは小池さん笑。僕はもうちょっとふわっとした歌詞なんで。「ラズベリーで甘酸っぺえガム」のところ、最初はガムじゃなくラブだったんです。他にも変わった箇所があるんですがデモバージョンはそれから歌ってないので忘れちゃいました。最初はコンペ用だったけど、これそのままバンドでもやろうよってなって。AメロとBメロがなかったんでバンド用に作った音源をメンバーに送って。そこに小池さんが歌詞とメロにニュアンスをつけていって。だから結果的に僕が発信で作ったっていう感じです。
高尾:へぇー。逆かと思ってたんですよ。小池さんが先に歌詞を書いてから、儀間さんにこれでメロディーを付けてくれないかって。アルバムの『+天竺』が出たタイミングの小池さんのインタビューで、儀間さんの曲が入ることでアルバムがいい感じになるんじゃないか、みたいな記事を読んだことがあって。
儀間:基本的にはこういう曲作ってと言われるよりは、僕が勝手に曲を作ってきて、じゃあこれやってみようよっていう形が多いかもしれないです。
高尾:それがこう同じ方向に向かった曲になるって、すごいですよね。最初にイメージをガチッと固めて、そのイメージを崩さないように楽器隊が演奏するものなのですか?
儀間:そういうバンドが結構多いとは思います。ボーカルが曲を作ってきて、それをそのまま完璧に演奏するっていうパターン。僕らは結構イメージを崩しながらやっています。なので割と最初の印象からは少しずつ外に開いていくというか、そういう感じですかね。
高尾:なるほど。
儀間:よく分からないけど、なんか人が演奏するってなると、そのままやられるのが気持ち悪い瞬間がちょっとあったりとか。
高尾:うん、うん。
儀間:もしかしたら映画でも、そういう瞬間があるのかもしれないですけど。その場でセリフが変わったりとか。
高尾:「ネムルバカ」の時はまさにそうだったと思います。阪元監督が現場で語尾を変えるとか。
儀間:そうでしたね。
高尾:それこそ長谷川さんの「とりいちずだと助かる」みたいなセリフもその場でついたりとか。
儀間:そうだったんですか?
高尾:最初は「助かるわー」だった気がする。監督が現場で「わー、いらないっすね」って言ってた記憶があります。いま儀間さんの話を聞いて、ダディーズの皆さんが作ってる感じと映画の現場で共通点があるんだなって。
儀間:そうですね。そういう違和感をなくしていく作業というか。僕も小池さんもA型なので、きっちりさせたい拘りがあって、違和感みたいなのが気持ち悪く感じるのかもしれないです。
高尾:拘るところは拘るって。
儀間:はい。で、良い違和感が残ればいいよなみたいな、悪い違和感はなくしていって。
高尾:うん。


儀間:話していてめちゃ頭がグルグルしてきました。言語化していくの難しい笑。
高尾:いやいやいや。1人で10人と10回対談するんでしょう?今後、あと何人やるんですか。
儀間:あっ、メンバー合計で10人なので、僕は高尾さんで最後です。
高尾:そういうことか笑。びっくりした。メンバーが併せて50人と対談するのかって。
儀間:50人はやばいです。そしたら、いつ終わるんだろう笑。
高尾:ですよね笑。さっきの話でいうとバンドメンバーで気心が知れてたりとか、ずっと付き合いが長い人たちと、これやったら面白いよねとか、こうやってみたらいいよねっていうのにすごく僕は憧れがあって。
儀間;はい。
高尾:僕ら俳優は現場に行くと初めましての人が多かったりするなかで、向こうはどう出てくるのかな?とか。同じ台本を読んではいるけど、読んだ人によって印象が違ったりするから、じゃあ「テストよーい、はい!」ってときに全然僕が読んでた印象と違うものが「どんっ!」ってきたら、さあ自分はどうするみたいなことを考えたりするので。
儀間:セッションみたいですね。
高尾:そうそう。
儀間:台本があるとは思うんですけど、そんなときは印象を変えてきた方に寄せていくんですか?
高尾:作品によるんですけど、例えばコメディーとかで飛ばしてテンション上げて、傍から見たら滑稽に見えるほうが面白いかなと思ったら、僕も飛ばして言ってみたり。
儀間:空間を狭くするというか、外に飛ばすよりも内にって。
高尾:はい。でも向こうがすごくシュールなお芝居をしてくるってなったら、合わせられるだけ合わせてみようって思えたら、それに付き合うようにしています。
儀間:その場その場でどう言おうかって即興で対応するんですね。
高尾:そうですね。もちろん家で考えてきた企みとかそういうのもあるんですけど、それはもう現場に行ったら捨てることが多かったりします。でも、そういう波長を合わせてこうやったら面白いよねとかっていうのは、儀間さんが曲を作ってることと共通点があるなという。だから「ネムルバカ」ってあんなに楽しかったのかな?
儀間:笑。いや、本当助かりましたね。長谷川さんと高尾さんがいっぱい話しかけてくれたので孤独にならずにすみました。知らない人だらけの現場が最初は怖いなと思ってたので。
高尾:そりゃ、初めてだと緊張しますよね。僕は儀間さんのような実際に活躍されているミュージシャンの方が入るってことを知って、ドラムを当てぶりでも頑張ろうって思いました。そういう意味では口には出さないですけど、お互いの知らないところで高め合いが行われていたのではないか?みたいなのは今振り返ると感じますね。
儀間:確かに。あらためて面白いなって思ったのは、ちゃんとみんな演奏できるようになってたっていう。当てぶりだったから弾けるふり、叩けるふりをすることもできたけど。
高尾:究極を言えばね笑。
儀間:すごいなあって思いました。初めて一緒にみんなでスタジオ入った時も「全然バンドじゃん!」って思って。平さんがギターをじゃかじゃか掻き鳴らしてて。
高尾:もうすでに「バンド!」みたいな。
儀間:平さん、歌も上手でした。
高尾:上手でしたね。儀間さんが平さんにギターを教えてたじゃないですか。
儀間:はい。
高尾:だから、そこで「儀間イズム」みたいなのもあったのかと。
儀間:ありました?笑。
高尾:多分あったと思います笑。
儀間:あ、でも右足を前に出すとかっこ悪いですよ。とか言ったことがあります。
高尾:笑。
儀間:ギターが前に出て不格好になるので。
高尾:なるほど。
ぎま:でもやっぱり初心者だと立って弾くときに右足を上げて指板を見やすくするために上げがちになって。
高尾:へえー。
儀間:でも見栄えがね。監督からは見栄えを良くしてくれって言われてたんで。だからもう演奏より立ち方みたいなことも最初はやってました。平さんは今でもギター弾いてくれてますかね?
高尾:くれてますかねぇ?。
儀間:弾いててほしいですよね。
高尾:今の儀間さんでも、立ち方とか改めて考えたりすることとかあるんですか?アルバムのリリースツアーを控えてると思うんですけど。
儀間:アルバムの話に戻してくれてありがとうございます笑。
高尾:僕が観に行った上野のライブはdadadadys MKIIさんが出演されてました。
儀間:尊敬するバンドです笑。
高尾:その時はdadadadys MKIIがダダダディーズさんの曲を違うテイストで演奏されていましたけど、違うことをやろうとパフォーマンスを練っているんだなって思って。ステージに提灯とか飾ってたり、立ち姿も変わっていて。これはちょっと俳優的な目線になりますけど。
儀間:俳優は毎回立ち姿が変わりますよね。
高尾:はい。同じものってその続きものじゃないとなかなかね。
儀間:忘れないんですか?自分がどうやって立ってたかなみたいなのって。
高尾:いやぁ、忘れているときもありますけど、分かりやすい情報さえあれば、例えば軍人とかヤンキーとか。
儀間:こうだっていうイメージができますよね。
高尾:逆にその、お父さんとか。
儀間:縦軸というか、若いのか年を取っているのかといった幅がないとちょっと困るみたいな。
高尾:うん。それでいうと儀間さんは儀間さんのキャラクターでギターを弾いてると思うんですけど、曲によって気持ちが変わったりとか、「rock'n'roll ぎゃる」のモードのまま「しゃらら」にいったりとか多分しないのかなってライブを観てて思ったんですけど。
儀間:昔は結構、自分が前にいたバンドとかだとバラードでもクソ暴れてるみたいな空気読めないことが面白いと思ってやってたんですけど、最近たしかにちょっと変わった気もします。自分の立ち振る舞いというか。ちょっと前にライブ動画を観かえしてたんですけど、俺、すっげえ猫背だなって思って笑。ギター弾いてる時に首がすごい下向いてて恥ずかしいって思って。
高尾:へぇー。
儀間:だから最近は意識してあんまりグって下向かないようになったかもしれない。
高尾:僕が観に行ったときは下を向いてるようなイメージ、全然なかったですね。
儀間:ほんとですか笑。
高尾:「rock'n'roll ぎゃる」を歌っている時も、マイクにゼロ距離だったし。
儀間:最近はまっすぐになろうとしてますね笑。背筋をピンとして、人体力学的に声を出したりギターを弾いてやろうって。
高尾:笑。
儀間:だから逆にいえばサボりっちゃサボりなのかも。
高尾:でもあれだけのパフォーマンスやってたらなぁ。
儀間:うーん、いいパフォーマンスだと演奏がぐちゃぐちゃだし、ちゃんと演奏すると動いてないしとか。
高尾:あああ、なるほど!
儀間:なんか難しいんですけど、そこの中間を取りに行くと別に何でもない、誰でもできそうな感じになっちゃうっていうのが、うーんその塩梅が難しいんですけど。
高尾:そうですよね。
儀間:でも、なんか欲張りになっちゃいがちですけどね。これもしたいし、あれもしたいしみたいな。最近あんまりダイブしなくなったんですけど。
高尾:でも、上野ではしてましたけど笑。あんまりしなくなったんですね。
儀間:前回のツアーではあれが初めてでしたね。でも実は普通に前に出てスピーカーの上に乗ってたら体勢が不安定だったのでスタッフが支えてくれてたんですけど、俺はスタッフが押してくれてると思って、そのままひっくり返って流れていきましたね。ほんとはダイブしようと思ってなかったんですけど笑。
高尾:流れでそうなったっていう笑。
儀間:だから「ネムルバカ」の撮影ぶりかもです、ダイブしたの。
高尾:そんなにですか?1年ぶりとかじゃないですか?
儀間:あの撮影で飛び過ぎて、しばらくダイブはいいかなと思って笑。
高尾:あの時、10回ぐらい飛んでたんじゃないですか?
儀間:いや、もっと飛んでます笑。飛ぶたびに膝がどんどん青紫になっていって。
高尾:ボロボロになったって言ってましたよね。
儀間:まだ自分の年齢を考えたりはしてないですけど、でも長いことやりたいなっていう気持ちになってきました。その場、その場で100%、120%でやりたい気持ちはあるけど、でも長くステージに立てる方がいいかなという気持ちになってきて。途中で故障したりとか、死んじゃったりっていうよりは、健康に気遣うようになって、それ込みの立ち方というのがあるかもしれないですね。
高尾:ああー、長い目でってことですよね。
儀間:そうですね。なんかこれをお客さんに読まれるのは嫌ですけどね笑。そんなこと考えてるんだって。
高尾:いやでも大事なことですからね笑。それで言うと『+天竺』のアルバムを全部聴いたときに、展開が1曲1曲ですごく変わっていくじゃないですか。「モォニンググロォリィ」とかそれをすごく感じて、なんかこう飽きっぽいじゃないですけど、同じフレーズをずっと聴き続けられないみたいな。
儀間:現代の感じですよね。
高尾:うん。でも僕は全然そんなことなくて80年代の洋楽、邦楽好きなんですけど。
儀間:そうですよね。昔の曲も好きですよね。
高尾:だから、それこそ「超々超絶絶頂絶好最高潮」ぐらい、同じリフをずっと繰り返して欲しいですけど、でもなんか展開がすごく変わるみたいなのってあんまり僕、普段聴かないからこそ逆に新鮮でしたし、なんて言うんでしょう。変な話、この展開は違う曲にしてやろう「しめしめ」みたいなことでもないじゃないですか。
儀間:ああ、そうですね。
高尾:1曲に展開をバーってぶち込んでるから。
儀間:何曲分入ってるんだろうって。
高尾: そうそう、だからそれこそ命削ってないとできないよなって思いますし、そうやって長く続けていきたい今、儀間さんが言ったことでなんかちょっと分かった気がしますね。その展開の多さみたいな、でもやっぱ皆さんそうなのかなっていう。妥協みたいなことでもないというか。
儀間:そうですね。
高尾:1曲に心血を注ぐじゃないですか。そういう意味ではフルパワーでやってるからこそ長く続けたいっていうところに行き着くのかなって。魂込めて作ってるから、しっかり落とし込むという。だからやっぱり職人ですよね。
儀間:あの曲は小池さんがデモを持ってきて、メンバーと曲を詰めていったんですけど「いや、まだもうちょっとなんか入れる、まだなんか入れる」ってどんどんどん増えていって、「これ曲として成立するの?」ってぐらいいっぱい入って。
高尾:ええぇー。
儀間:これってどういう仕上がりになるんだろうって思いながら、最後に小池さんの歌を録ったんですけど、歌が入るとしっかり全部の背骨が通ったというか、「うわっ!面白いなぁ」って思いましたね。
高尾:うん、だからライブで聴いたときも一番印象に残っているというか、失礼だったら申し訳ないですが、どの楽器もなんかこうバラバラに聞こえるような感じがするというか。
儀間:そうですね。
高尾:でも、やっぱり小池さんのボーカルが先だって、まとまりがあるし。
儀間:いろんなところに楽器があるような。
高尾:そうそう。
儀間:演奏してても面白い曲ですね。最初の頃は難しすぎて「えっ、これライブでできるかな?」みたいな。でも最近は終わった後の達成感があります。ゲームしてるみたいな感じなんですよ。
高尾:やりきったぜって笑。でもそれぐらいものすごく緻密に作られてるってことじゃないですか。もう俺なんか想像もできないぐらい血反吐を吐く思いで作ってるのかと。
儀間:だからレコーディングも長かったですね。
高尾:だってね、現場終わりで「どこどこ行きませんか?ご飯でも行きませんか?」とかお誘いしても「いや、レコーディングがあるんで」みたいな。
儀間:いや、本当忙しい時期とかぶってました。
高尾:儀間さん、もう今年一年ずっとレコーディングしているのかもしれないって。
儀間:そうですね。せっかく毎回誘ってくれたのに断ってしまって。
高尾:でもそれを聞いてやっぱり1枚のアルバムを作るって大変なことだなって。
儀間:ぜひ高尾さんにドラムのコピーをしてほしいです。
高尾:僕は趣味でドラムをやってるので、やっぱりyuccoさんのテクニックというか、手さばきとか気になってます。とくに「ホォリィ・嫉妬」のドラムが好きです。すごいかっこいいですよね。
儀間:あの曲は「ドラムンベース」がイメージのドラムなんです。
高尾:そうなんだ。
儀間:機械っぽいやつを生でやってるみたいな。
高尾:手数も多くてかっこよかった。僕はyuccoさんに憧れているので宜しくお伝えください。
儀間:「ネムルバカ」もドラムの手数多かったですよね。ドラムって大変だなぁ。
高尾:でもダディーズの皆さんのパフォーマンスを見てたら、ドラムが一番大変とか言ってられないなって思っちゃうんですけど。
儀間:そうですか?
高尾:うん、多分いまだかつて自分がリアルでライブを観た中でね。
儀間:みんな辛そうでした?
高尾:うん。やっぱ圧巻ですもんね。
儀間:嬉しいです。
高尾:またツアーが始まりますが、どうですか?
儀間:いろんな地方に行くので楽しみですけど、車で移動するのがちょっと嫌だなって。
高尾:笑。相当移動しますもんね。
儀間:痔になっちゃいますね笑。ずっと同じ姿勢で、福岡なんて車で12時間ぐらいかかりますから。
高尾:飛行機じゃないですもんね。でもそうやって全国を回って行くわけじゃないですか。僕の勝手なイメージなんですけど、都内だとファンがすごく近い感じがするんですよ。でも福岡とか他の地方に行く機会って中々ないから、そういった地方でファンの人がいっぱい来てくれる喜びというか嬉しさみたいなのとかあります?
儀間:全国ツアーがかなり久しぶりなんですよね。なので今、あの土地で俺らはどうなってるんだろうっていうのが行くまでちょっと分からないので、楽しみではありますね。どういうお客さんが来てくれるのかなぁとか。
高尾:うん。
儀間:都内とか名古屋とか大阪までは割と行きますが、九州とか北海道は全国ツアーとかやらないと頻繁に行けないので、あの何年か前にいたお客さんは?とかちょっと思い出しますけどね。
高尾:なんて言うんでしょう。地方は地方のカラーみたいなのはあります?
儀間:大阪とかはすごいアンコールを要求してきます笑。あと賑やかな人が多いイメージ。
高尾:へぇ。
儀間:あと名古屋のお客さんは曲をゆっくり聴いてくれる人が多かったりとか。
高尾:大阪が一番すごい感じなんですね。
儀間:「うわー」っていう、熱狂みたいなものを感じますね。行く機会が多い東名阪の話になっちゃいましたが、基本的には地方の人のほうがゆっくり観てくれるイメージがあるかもしれません。
高尾:頻繁に行けないし、ライブを観れる機会が少ないですからね。
儀間:なので「よしっ、観てやろう!」って思ってるのかもしれないですけど。
高尾:しっかりそのご尊顔を拝してやろうじゃないですけど。
儀間:もしかしたら暴れてる場合じゃないという感じなのかもしれないですね。
高尾:でも、「ネムルバカ」きっかけでね、ライブに行ってみようって人も中にはいらっしゃるかもしれないですよね。もしそういう人がいらっしゃったら教えてください笑。
儀間:そうですね笑。サイン会とかした時もライブ行きますって何人か言ってくれた人がいたんですよ。まだお会いできてないですけど、いつか来ていただけたらいいなとは思います。
高尾:それで言ったら、僕もまた儀間さんと共演できることを楽しみにしています。
儀間:そうですね!あの、高尾さん、いつか監督やってくれませんか?
高尾:監督ですか?笑。
儀間:それで僕を呼んで欲しいです。
高尾:なるほど。監督かぁ。
儀間:監督脚本主演で。
高尾:北野武さんみたいな感じですか。
儀間:刑事物でやって欲しいですね笑。
高尾:いずれその余裕がもしできたら、儀間さんを犯人の役で呼ばさせていただきます。
儀間:ぜひ!笑。 高尾さんとは長い付き合いをしていただけたらと。
高尾:そうですね。儀間さんが長く音楽を続けると言ったように、私も長く俳優を続けて、そして長いお付き合いをしていけたらと。
儀間:宜しくお願いします。
高尾:お互いに長く続けて、そして長生きしましょう。
儀間:はい!今日はありがとうございました。





編集:軽部徹(UK.PROJECT)