9.らぶりありてぃ -la dolce vita-

現実とぴったり整合してしまって生きているとなかなか大変です。
この頃は以前よりそう生きざるを得ない感覚があります。

つまらないことにこだわってマウントをとったり、とらせたり。
誰もわかってくれないや、とかいじけたり。
自分だけが割を食ってるようになげいたり。
コミュニケーションを演技で固めてさみしくなったり。
世の中ぜんぶ馬鹿馬鹿しいなと思ったり。

自分のことを雑に扱うと、だいたいロクなことがありません。
熾烈な現実に耐えるために、誰でもみんな、自分の内側に別の世界を抱え込んでいるのだと思います。
そして自分で感じているよりしょっちゅうあっちの世界に消えている。
だからこそ、この曲は聞き手の世界に溶けていくことができます。
素敵な関係だと思います。

時間の経過を経てリアレンジされた今作。
宇宙まで吸い込まれそうなギターのメロディ。
時に感情的になりながら、おおらかに支えるビート。
余計な励ましや押しつけはせず、ただ歌がそばにいてくれる。
聞き手の感覚ひとつでどこまでも旅をします。